借地権とは
2018年11月6日借地権とは、「建物の所有を目的とする地上権および土地の賃借権をいう」(借地借家法1条)とされており、文字通り、地上権と土地の賃借権があります。
地上権とは物権で、土地所有者(地主)の承諾なしに、自由にその地上権を第三者に譲渡したり、地上権を担保に入れたり(地上権に抵当権を設定するなど)、自分が地上権を持っている土地を第三者に賃貸することができ、登記請求権もあります。
一方、賃借権は債権であり、譲渡・転貸は地主の承諾が必要とされ、登記請求権もありません。
このように、権利としては地上権のほうが賃借権より強いわけですが、地上権は借地人の権利が強すぎるために地主が地上権設定を避ける傾向があり、多くの場合は賃借権となっています。また、賃借権はあまり登記されることがないため、建物の登記があれば土地賃借権の登記がなくても借地権の効力を主張できるとされています(借地借家法10条)。
なお、建物登記があり、建物に抵当権の設定登記がなされていれば、抵当権の効力は当該賃借権にも及ぶものとされています(民法370条)。
(参考)
民法370条
抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産に付加して一体となっている物に及ぶ。ただし、設定行為に別段の定めがある場合および債務者の行為について424条3項に規定する詐害行為取消請求をすることができる場合は、この限りではない。
従たる権利ー賃借権
土地賃借人が賃借土地上に所有する建物について抵当権を設定した場合には、特段の事情のない限り、抵当権の効力は右建物の所有に必要な賃借権に及ぶ(最判昭40・5・4民集19の4の811)