田園住居地域

2018年9月15日 投稿者: hagedanji

平成30年4月から、新たな用途地域として「田園住居地域」が創設されました。

これは、平成29年4月の都市計画法の改正によるもので、用途地域が従来の12種 類から13種類となりました。

用途地域とは、都市計画法により定められた地域であり、その区分により建築 可能な建物や規模などが規制されています。例えば、第一種低層住居専用地域は 居住環境が最も良好になるように定められていますが、これはすなわち、住宅以 外の用途(店舗や工場など)が厳しく制限されていることを意味します。

そのような中で新たに創設された田園住居地域は、都市機能に農業が含まれる という考え方に立つ仕組みであり、農地を都市の構成要素として位置付けるとい う意義があります。

その創設の背景には、人口減に伴う宅地需要の沈静化、住民の都市農業に対する認識の変化などがあります。また、マンション等の建設に伴う営農環境悪化の防止など も挙げられます。そして、住宅と農地が混在し、両者が調和して良好な居住環境と営農環 境を形成している地域を、あるべき市街地像として都市計画に位置づけ、建築規制や開発 規制を通じてその実現を図るべきものとされています。

都市計画法では、田園住居地域は「農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層 住宅に係る良好な住居の環境を保護するために定める地域とする」と規定されています。

1.地域特性に応じた建築規制

・立地が認められる建築物は、①低層住居専用地域に建築可能な建築物と、②一定の農業用施設に限定されます。

① 住宅、老人ホーム、保育所等

日用品販売店舗、食堂・喫茶店等(150m²以内)

② 農業の利便増進に必要な店舗等(農産物直売所、農家レストラン等(500m²以内)) 

農産物の生産、集荷、処理または貯蔵に供するもの

農産物の生産資材の貯蔵に供するもの(農機具収納施設等)

・形態規制(容積率、建ぺい率等)は低層住居専用地域と同様となります。

(容積率:50~200%、建ぺい率:30~60%、建物高さ:10mまたは12m、など)

 

2.農地の開発規制・現況農地における「土地の造成」、「建築物の建築」、「物件の堆積」は、市町村長の許可制となります。

・駐車場、資材置き場のための造成や土石等の堆積も規制対象となります。

・市街地環境を大きく改変するおそれがある一定規模(政令で300m²と規定)以上の開発等は原則不許可となります。

国土交通省の資料  ⇨ http://www.mlit.go.jp/common/001198169.pdf