不動産の価格

不動産の経済価値は、価格としても表示されますが、賃料としても表示されます。そして、ひとつの不動産の上には所有権、賃借権などの複数の権利が存在することが可能であり、それぞれの権利について価格や賃料が形成されます。
例えば、賃貸アパートを買おうとしている人はそのアパートがいくらなのか、すなわち価格として捉えています。そのアパートの部屋を借りる人は、いくらで借りれるのか、すなわち家賃(賃料)としてその部屋の価値を捉えているわけです。そのほかにも、借地権や地役権など、ひとつの不動産の上にはいくつもの異なった権利が同時に存在できるのです。

また、不動産、特に土地の特徴は、その場所を動かないこと、増えたり減ったりしないことが挙げられます。建物についても、そう簡単には動かしたり、増えたり減ったりはしませんね。

一方で、不動産はどのように使われているでしょうか?
一般的には、住宅街であったり、商店街であったり、昔から変わらない風景のところが多いかもしれません。
しかし、よく見てみると、工場がたくさんあったところがマンション街になっていたり、未利用地に太陽光パネルが設置されたりと、その時の社会経済情勢や人々の価値観によって使われ方、すなわち用途が変わる可能性を持っています。

不動産は、このような特徴に基づく、その時々の利用形態に応じて価格が形成されるわけです。

田園住居地域

平成30年4月から、新たな用途地域として「田園住居地域」が創設されました。

これは、平成29年4月の都市計画法の改正によるもので、用途地域が従来の12種 類から13種類となりました。

用途地域とは、都市計画法により定められた地域であり、その区分により建築 可能な建物や規模などが規制されています。例えば、第一種低層住居専用地域は 居住環境が最も良好になるように定められていますが、これはすなわち、住宅以 外の用途(店舗や工場など)が厳しく制限されていることを意味します。

そのような中で新たに創設された田園住居地域は、都市機能に農業が含まれる という考え方に立つ仕組みであり、農地を都市の構成要素として位置付けるとい う意義があります。

その創設の背景には、人口減に伴う宅地需要の沈静化、住民の都市農業に対する認識の変化などがあります。また、マンション等の建設に伴う営農環境悪化の防止など も挙げられます。そして、住宅と農地が混在し、両者が調和して良好な居住環境と営農環 境を形成している地域を、あるべき市街地像として都市計画に位置づけ、建築規制や開発 規制を通じてその実現を図るべきものとされています。

都市計画法では、田園住居地域は「農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層 住宅に係る良好な住居の環境を保護するために定める地域とする」と規定されています。

1.地域特性に応じた建築規制

・立地が認められる建築物は、①低層住居専用地域に建築可能な建築物と、②一定の農業用施設に限定されます。

① 住宅、老人ホーム、保育所等

日用品販売店舗、食堂・喫茶店等(150m²以内)

② 農業の利便増進に必要な店舗等(農産物直売所、農家レストラン等(500m²以内)) 

農産物の生産、集荷、処理または貯蔵に供するもの

農産物の生産資材の貯蔵に供するもの(農機具収納施設等)

・形態規制(容積率、建ぺい率等)は低層住居専用地域と同様となります。

(容積率:50~200%、建ぺい率:30~60%、建物高さ:10mまたは12m、など)

 

2.農地の開発規制・現況農地における「土地の造成」、「建築物の建築」、「物件の堆積」は、市町村長の許可制となります。

・駐車場、資材置き場のための造成や土石等の堆積も規制対象となります。

・市街地環境を大きく改変するおそれがある一定規模(政令で300m²と規定)以上の開発等は原則不許可となります。

国土交通省の資料  ⇨ http://www.mlit.go.jp/common/001198169.pdf

 

 

不動産とは何か?

私たちは家に住み、会社で仕事をしたりしていますが、その家や会社がすべて不動産です。外国では船の上で生活している人もいますが、日本ではお目にかかりませんね。家は一軒家だったり、マンションだったりします。会社は多くがビルの中にありますね。また、家族でごはんを食べに行くお店も不動産です。それらのマンションやビルは空中に浮いているわけではなく、土地の上にありますよね。その家やマンションなどの建物は土地にくっついていて、簡単には動かすことができません。そして、土地も動かすことができません。それなので、「不・動・産(うごかすことができないもの)」と表現するのです。

日本では、民法86条に「土地およびその定着物は、不動産とする」という規定があります。したがって、一般的には、不動産とは「土地と建物」と考えてよいでしょう。

民法86条 土地及びその定着物は、不動産とする。

②不動産以外の物は、すべて動産とする。

こういう区別をなぜしているかというと、例えば売買等の取引があったときに、その取引対象が不動産か動産かで法律上の取り扱いが異なるからです。

不動産の売買であれば、自分が買って所有権を取得したということを売主以外の他人に主張するためには登記が必要になります。他方、動産の売買であれば、その動産の引き渡しが必要になります。

また、工場の場合、その工場(建物)と土地、工場の中にある機械や器具などはそれぞれが独立した物の集まりです。それら全体としては民法上は一つの物ではありませんが、工場抵当法はそれを一つの不動産とみなしています(工場抵当法14条)。このような例は他にも鉄道抵当法や鉱業抵当法などがあります。